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 幸せに生きるために 今年の夏、NHKのあるディレクターから番組で取材させてほしいとの連絡があった。 聞くとガイア自然学校とやまをネット検索で見つけてもらったようで、 ホームページやSNSなど事前によく調べていて、ホームページに出しているこの通信コラムの バックナンバーもかなり読んでくれていたことに少し驚いた。 そして電話取材、顔合わせ、キャンプの様子を下見、フィッシングキャンプでの2日間に及ぶ撮影、 ガイアの森のようちえんでの撮影など多くの時間と労力をかけて取材してもらったことに、 頭が下がる思いだった。 放送時間は10分程度のものだったが反響の声をたくさんいただき、 撮影に協力してくれた子どもや親御さん、スタッフやGリーダーにも感謝したいと思った 一夏のいい思い出となった。 今回の取材を通して、「ガイア自然学校が大切にしていること」について、 改めて考えることができたのでここで伝えたいと思った。 「何のためにこの活動をやっているのですか?」という質問に対して僕は、 「子ども達に幸せに生きていってほしい」と答えた。 抽象的な表現だとは思いつつも、自分の本当の心から出た言葉だと感じていた。 もちろん幸せのカタチは人それぞれ違うし、何が幸せかは他人からはわからない。 そもそも本人も幸せかどうかわからないことだってある。 けれど、僕自身が思う子ども達やGリーダーが幸せに生きていくために必要だと思うことを、 ガイア自然学校の活動を通して育んでいければと思っているのだ。 「主体性」という言葉は使い古されている感があるが、 やっぱり自分の人生は自分しか生きられない。 親や教師が決めるものでもない。 たっぷり時間のあるガイアの自由な環境で自分は何をして遊びたいのか、 自分で決めてやっていく。 かといって何でもかんでもわがまま好き放題できるわけではなく、 同じグループの他者の気持ちも受け止めながら調和していく。 妥協やがまんするのとも違う。 相手を認め尊重しながら自分の気持ちも伝えていく。 こんなふうに人と人の気持ちが通い合ってつながっていくような体験を、 子ども時代に自然の中で積み重ねていけることは、大人になって力になり、 ずっと残っていくものだと信じている。 改めてこの事業は自然体験を通じた「人づくり」だと思う。 関わった子ども達やGリーダーがどんな素敵な大人になって幸せに生きているかを知るためにも、 これからも元気にガイアを続けていきたい。 余談だが、上京している20歳の長男と電話した時、 放送した番組を見て「感動したよ、ちょっと涙出たわ(笑)」と言われた。 長男の幼少期には土日にほとんど休みがなく父親らしいことをあまりできなかったと 思っている自分にとっては、じんわりと幸せな時間だった。 【文:守屋謙】  |