新型コロナが5類へ移行した後、初めて迎える夏休みがもうすぐやってくる。
過去3年に比べて、旅行やレジャーに出かける予定を立てているご家族も多いだろう。
ところが、ガイア自然学校のキャンプに関しては、
いい意味でも悪い意味でもほとんどこれらの影響を受けていない。
毎年のように参加してくれる子ども達がたくさんいる。
家族で行くレジャーやキャンプとは違う価値を感じて頂いているからなのだろう。
近年のアウトドア・キャンプブームの需要をもっと取り込んで事業拡大するチャンスかもしれないが、
そこには気持ちがあまり向かっていない。

ガイアのキャンプは、教育的キャンプだからだと思う。
ここでいう「教育」とはお堅いイメージのものではなく、
子どもや大人、関わる人全ての成長を目的とするものだ。
言うなれば、「成長キャンプ」だ。


いつの時代でも本能のように人は成長し進化してきたし、それと共に文明も発展してきた。
僕自身も現代文明の豊かさや便利さを享受している一方、昔話を子どもやリーダーにも伝えたくなる。
例えば、「彼女に連絡したい時、家に電話して彼女の親と話さなくても、
ポケベル(スマホやガラケー以前)で公衆電話から彼女に直接文字メッセージを打ち込んで送れたこと。」などだ(笑)。
「あ」は11で、「つ」は43、「い」は12となる。今から見れば笑い話だが、当時は画期的。
でも、便利さを手に入れる代わりに失っていたものもあったかもしれない、と今だから思える。

では、現代文明の中に生きる子たちは何を手に入れ、何を失っているのだろう。
それをイメージできるのは過去を知る親世代だと思う。
過去には過去の豊かさがあり、今と比較できるものでもないと思う。

ガイアのキャンプは、自由で楽しい!けど大変なこともあるし、快適かと言えばワイルド。
薪はほぼ用意されてないから雨だと火がなかなかつかなくて腹ペコ、大雨でテントや荷物もぐっしょり、
虫取りに夜も早朝も歩き回ってもお目当てに出会えないことだってある。
けどそんな時に、みんなで協力して一生懸命うちわをあおぎ続けたり、
ずぶぬれになりながらテントを補強する大人たちをかっこいいと憧れたり、
虫をくれる友達の優しさに感動したりするのだ。

一緒に遊んで笑い喧嘩もし、同じ釜の飯を食べ「うまい!」と叫び、一つテントの下で寝る。
そんな原始家族のような生活体験、それら全ての時間がとっても豊かであり、
かけがえのない原体験になることを約束したい。

そして子どもたちが大人になった時、親になった時、
ガイアでのキャンプで体験しためちゃくちゃ大変だった思い出を、
子ども達に嬉しそうに話すことも約束したい(笑)。
さあ夏はすぐそこ!森のようちえん、ガイアキッズに来ている子ども達も、
キャンプにチャレンジしてみて下さいね! 
    【文:守屋 謙】