10月下旬、加盟しているJON(一般社団法人日本アウトドアネットワーク)の年に1回のミーティングに、
コロナ前ぶりに参加するために京都府美山町まで足を運んだ。
JONはプロとして自然学校を運営しているメンバーの全国組織だ。
会員同士の交流を図りながら、安全管理などの情報交換や、様々な研修会、
業界発展のための事業を行っている。
今回の会場となったのは、「田歌舎」(たうたしゃ)という団体が作り上げたフィールドと施設だった。
京都の山奥の原生林からの湧き水を引き、日本でもトップレベルの自給自足を実践している
王国のようなところだ。
米、野菜を育て、鹿肉を獲り、建物はすべてセルフビルド、しかも伐採や製材から行う。
自然体験プログラムやレストランを通して出会う人々に、持続可能な暮らしの豊かさを
20年以上も伝え続けている。
僕自身、以前からずっと行ってみたかった場所であったが、
予想を上回る幅広い知識と知恵と実践にとても感動した。
そして代表の藤原さんの語る言葉からにじみ出る、自給自足への誇りを感じた。
レベルは違えど、僕自身が「好きなことを仕事にして生きたい」と
独立と自立を決意した30才の頃から今まで、
少しずつ積み重ねてきている仕事への誇りと似ていると感じた2日間だった。

同じように、
子どもたちがガイアの活動に参加することを通して得るものの大きな一つは、「自信」だと思っている。
先日もある子の親御さんから、「ここで生まれて初めて川遊びを経験してから、
すごく度胸がついて何でもやってみようというふうに変わってきたんです!」
と、
喜びと驚きをもって伝えられた。
いつも一緒にいる家族が感じていることなのだから、明らかに変化があったのだろう。
とても嬉しかったし、改めてやりがいを感じられた。
その時は、一緒に遊んでいる川遊びが大好きな子と手をつないで流れたり、
リーダーに教えてもらいながら魚を釣りあげたりしていた。

またGリーダーにとっても、ガイアの活動を通して得るものの一つは「自信」なのだと感じる。
1年目は、どのように子どもたちと関わったらいいのか手探りで不安がいっぱいでも、
次第に楽しめるようになる自信。
2年目は、活動を企画したりマネジメントする役職や、
年間で子どもを担当する役割に初めてチャレンジでき、
今までにない責任感の中で失敗をしながらも、やり遂げた自信。
3、4年目になれば、後輩のフォローや団体のことを考えるようになり、
視野の広さや多様な価値観を得たり、自分らしさに気づいた自信などだ。

子ども、Gリーダー、そして自分も含めて、それぞれが得る自信の裏には、失敗や成功の体験が必ずある。
自然の中という予定調和でない環境で、多くの人と関わりながら様々な体験をし、
それぞれのペースで成長していく日々。

一人ひとりが素晴らしいし、誇らしい。

    【文:守屋 謙】