7、8月のキャンプもいよいよ大詰め後半戦。
  
  マスクをしたり、検温をしたり、消毒をしたり、
  新しい生活様式ならぬキャンプ様式にも慣れてきた。
  多くの子ども達の笑顔や歓声があふれていることは、いつもと変わらない夏だ。
  
  
  キャンプは子ども達にとって大きく成長する場だ。
  はじめて体験することが多く、海や山や川での遊びを通して
  やってみたいことにチャレンジできる環境がある。
  また、他者と共に生活する上で必要な役割を担い、
  誰かのために行動することが求められる経験をする。
  
  いつも親に「してもらっている」環境から、「自分でする」体験がある。
  帰ってきた我が子を見て、「ちょっとたくましくなった、しっかりした」と感じるのは
  気のせいではないのだ。
  
  同じように、実はGリーダーたちにとっても
  キャンプやガイアでの活動が大きく成長する機会になっている。

  
  ガイアの活動は組織キャンプといって、
  プログラムディレクター(以下PD)やマネジメントディレクター(以下MD)という
  企画、準備、全体のサポートをする役割があったり、
  グループカウンセラー(以下GC)という班の子ども達と一番近い位置で関わり、
  生活や遊びをサポートする役割がある。
  いずれも学生たちが主体的に立候補し、1か月以上前から準備することが普通だ。
  
  先輩たちがPDやMDをやっている姿を見て学んだり憧れた1年生が、
  学年と経験があがり権利を得てチャレンジするという流れだ。
  
  先日の海での活動で、
  ある2年生MDは現地に到着して予想以上の混雑具合に戸惑い、
  本部設営の場所や備品の配置、
  全体への声かけなどの判断を短い時間で求められたことを、
  「正直、判断を先輩に委ねようとしていた…」と夜のふりかえりで正直に打ち明けた。
  
  「自分で決めてほしい。結果、失敗してもフォローできるから」という
  先輩からのメッセージが、彼を次回への挑戦意欲へとつながっているように見えた。
  
  優しく、時に厳しく、先輩から後輩へフィードバックがあったり、
  後輩から先輩へも気持ちの表明があったりする風通しのいい組織でありたい。

  無駄な上下意識は個々の成長を阻む。
  
  
  毎週のように自然の中であそび、子ども達と関わり、
  夜のふりかえりで気持ちを語り合うGリーダーたちの絆はどんどん深まっていく。
  そんなGリーダーたちに囲まれて
  安心してあそぶ子ども達が笑顔になるのは当然だ。
  
  これからも子ども達のためにも、Gリーダー一人ひとりの成長に携わっていきたい。
  【文:守屋 謙】